身体や頭を働かせたいときに効果的!?ユリ根に含まれる栄養素や効能とは?
2017/11/29
ユリ根について
茶わん蒸しや和え物など、おもに和食料理として食べられることが多い「百合根(ゆりね)」。じゃがいもにも似たホクホクとした食感と、優しい甘みが特徴的です。
お正月料理や京懐石料理などでよく使われるユリ根ですが、普段はあまり食べる機会がないですよね。
スーパーでたまに売っているのを見かけますが、どのように調理していいのかわからず、購入にいたらないという声もちらほら…。
そこで今回は、ユリ根に含まれる栄養素や、効能、オススメの調理方法など、様々な情報をまとめていきます。
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ユリ根の発祥や概要
ユリ根は、その名前からもわかるようにキレイな花を咲かせる「ユリ」の花の一部となっています。よく、根と勘違いされることがありますが、根ではなく鱗茎と呼ばれる葉が変形してできた部分の事を言います。
ユリの花は、日本で古くから育てられてきた植物で、万葉集にもその名前があるほど。絹に次いで2番目に主要輸出品目になっていたこともあり、外貨獲得の重要な品でもありました。
一方、ユリ根は日本や中国で薬用として活用されていたようで、薬用食材として重宝していたそうです。江戸時代からの記録には、すでにユリ根の食べ方などが紹介されています。
ただ、こんなに古くから栽培されていたにもかかわらず、食用として本格的に栽培されたのは比較的最近のことで、ユリ根の国内生産の95%を占めている北海道でも、本格的な栽培が始まったのは大正時代からなのだそうです。
ユリの中でもユリ根に適した品種は限られており、苦味の少ない「コオニユリ」という種類が、主に食用とされています。
ちなみに、ユリ根は6年もの手間ひまをかけて栽培されており、連作に弱いため、毎年畑を変えながら植え替えているのだそうです。また、傷つきやすくとてもデリケートなユリ根は、すべて手作業で丁寧に作られています。
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ユリ根の栄養素
ユリ根は「百合(びゃくごう)」という生薬としても利用されており、滋養強壮や咳を鎮める効果、利尿作用があるそうです。
生薬として利用されているだけに、含まれる栄養素も高いことが期待できそうですね!そこで早速、ユリ根に含まれる栄養素を一覧でまとめてみたので確認していきましょう!
※可食部100gの含有量
食品名 | ユリ根 |
---|---|
エネルギー | 125kcal |
水分 | 66.5g |
タンパク質 | 3.8g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 28.3g |
食物繊維(総量) | 5.4g |
ミネラル含有量 | ナトリウム | 1mg |
---|---|---|
カリウム | 740mg | |
カルシウム | 10mg | |
マグネシウム | 25mg | |
リン | 71mg | |
鉄 | 1.0mg | |
亜鉛 | 0.7mg | |
銅 | 0.16mg | |
マンガン | 0.96mg |
ビタミン含有量 | ビタミンA | レチノール当量 | 0μg |
---|---|---|---|
βカロテン当量 | 0μg | ||
ビタミンE | αトコフェロール | 0.5mg | |
ビタミンK | 0μg | ||
ビタミンB1 | 0.08mg | ||
ビタミンB2 | 0.07mg | ||
ナイアシン | 0.7mg | ||
ビタミンB6 | 0.12mg | ||
ビタミンB12 | 0μg | ||
葉酸 | 77μg | ||
パントテン酸 | 0mg | ||
ビオチン | 1.6μg | ||
ビタミンC | 9mg |
※食品成分データベース参照
やはり、ユリ根にはたくさんの栄養素が含まれていましたね!特に、カリウムや食物繊維は、他の野菜と比較しても高い含有量となっています。
また、ビタミン類があまり多く含まれていないように見えますが、熱に強い性質を持っているので効率よく摂取できるんです!これら栄養素を摂取することで得られる効能については、次の「効能」の項目で確認してみましょう。
ユリ根の効能
では、ユリ根を食べることで私達の身体にどのような効能を与えてくれるのでしょうか?以下に、いくつかピックアップしているので、確認してみましょう!
体内の塩分濃度を調節
塩分の多い食事をすると喉が渇きますよね?これは、塩分を多く摂ったことで、血液中の塩分濃度があがってしまい、それを薄めようとする身体の働きによるものなんです。
この働きによって多くの水分を摂取すると、ナトリウムの濃度は下がりますが、水分量が増えたことによって血液量が増え、結果的に血圧が高くなってしまいます。高血圧の方が塩分を控えた食事を勧められるのは、このような理由があるからなんですね。
ユリ根に多く含まれている「カリウム」は、体内の余分なナトリウム(塩分)とくっついて、尿と一緒に体外に排出してくれる働きがあります。これによって、体内の塩分量を調節してくれるんです。
また、腎臓に溜まりやすい老廃物も一緒に排出してくれる効果も期待できるそうです。塩分の多い食事をされている方、高血圧が気になる方は、特に意識して摂取したい栄養素と言えます。
便秘解消
ユリ根には多くの「食物繊維」が含まれています。便秘に効果があるとして有名な食物繊維ですが、実は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けられています。
水溶性食物繊維は、お腹で水分と融合してドロドロに溶けてしまい、腸内に溜まった便と絡むことで、スムーズに排便してくれる効果があります。
一方、不溶性食物繊維は、お腹で水分を吸うと大きく膨らんで腸を刺激し、腸が便を外へ動かそうとする蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にしてくれます。また、ユリ根に含まれる不溶性食物繊維は粘性が高いため、ゆっくりと腸内を進むという特徴があり、血糖値が急激に上がるのを抑制する効果もあるようです。
この水溶性と不溶性の食物繊維は、バランスよく摂取するのが望ましいとされていますが、ユリ根にはこのどちらも含まれているため、食物繊維を摂取するのに適した野菜と言えるでしょう。
身体を動かすエネルギー源
ユリ根の主な成分は「炭水化物」です。最近では炭水化物抜きダイエットなどの影響で、炭水化物を抜こうとする方も多くいらっしゃいますが、炭水化物は身体に吸収されるとエネルギーに変わり、身体を動かしたり、物事を考える脳の機能にとても重要な栄養素なのです。
ユリ根には、炭水化物だけでなく、ミネラルやビタミンなどの栄養素も含まれており、他の栄養素もしっかり摂取できるという利点があります。前項で話したように、ユリ根に含まれるビタミン類はあまり多くはありませんが、熱に強い性質があるため、摂取量としては十分な量を確保できるでしょう。
運動で身体を動かすときや、仕事や仕事で頭を使うときには、ユリ根を摂取すると効果的に筋肉や脳を動かせるかもしれません。
オススメの調理方法は?
ここまで、ユリ根の栄養素や効能について確認してきましたが、最後にオススメの調理方法についてまとめておきます。
ユリ根は傷が付きやすい野菜なので、調理の際に傷を確認できた場合は、ピーラーなどで薄く削り取ってください。それから、外側から1枚ずつ剥がして洗えば、これだけで下ごしらえは終了です。
そこから、定番の茶わん蒸しや蒸し物などに調理していきますが、ユリ根はとても火が通るのが早い野菜です。加熱しすぎると崩れてしまうので、1分ほど茹でたところで様子をみてください。
また、ユリ根は和の食材と言うイメージがありますが、パスタやコロッケ、牛乳を合わせたミルクスープなどの洋食として。他にも、生クリームを合わせて作るシュークリームのようなスイーツにもすることが出来ます。
このように様々な調理方法があるので、ぜひご家庭に合ったレシピで、ユリ根料理を楽しんでくださいね!
ちなみに、スーパーなどで売られているユリ根は、おがくずに入っていることが多いと思いますが、保存の際はそのおがくずこと冷蔵するようにしましょう。2~3か月は鮮度を保つことができます。洗って冷蔵しているものは、1週間ほどで使い切るようにしましょう!
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