病気の予防やダイエットに効果が!ししとうに含まれる栄養素や効能とは?
2017/11/29
ししとうについて
煮たり、焼いたり、揚げたりと、様々な調理法で美味しくいただける「ししとう」。ほんのり感じる苦みがたまらないと、大人からの人気が特に高い野菜のひとつです。
そんなししとうは、見た目がとうがらしに似ているのに辛くない…。じゃあ、ピーマンの仲間?と、ししとうがどんな種類に属しているのか、よく分からないと思っている方も多いのではないでしょうか?
また、本来辛くないはずのししとうの中に、辛いものが混ざっていることもあるため、余計に区別が付きづらくなってきますよね。
そこで今回は、ししとうが分類されている種類から栄養素まで、様々な情報をまとめてみました!
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ししとうの発祥や概要
ししとうの正式名称は「獅子唐辛子(ししとうがらし)」と言い、名前を見てもわかるように、ナス科のとうがらしの仲間で、ししとうの先端が獅子の鼻に似ていたことから、こう名付けられたそうです。
とうがらしは辛味種と甘味種の2種類に分かれており、ししとうは後者の甘味種に分類されています。
この甘味種の中には、ピーマンやパプリカなども含まれているので、ししとうとピーマンは、トウガラシ属の仲間ということになります。そのため、味や見た目がピーマンともよく似ているのですね!
そんな、ししとうの原産地は中南米と言われており、15世紀頃にコロンブスが海を渡った際、香辛料としてヨーロッパに伝えたそうです。
ヨーロッパに伝わった当時はとうがらしと同じように強い辛みがあったそうですが、ヨーロッパの涼しい気候で栽培をしていった結果、辛味が少ない品種が生まれたそうです。
日本へと伝わって来たのは16世紀頃で、その当時はまだ辛味があり「南蛮」と呼ばれて栽培されていました。現在のような甘味種が広まったのは明治時代に欧米から伝わってきたものが初めと言われていますが、当時はあまり食べられず、戦後になってから世間一般で食べられるようになりました。
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ししとうの栄養素
比較的、栄養の多いピーマンの仲間ということが分かったので、ししとうに含まれる栄養素も期待できそうですね!
そこで、以下にししとうに含まれる栄養素を一覧にしてみたので、早速確認してみましょう!
※可食部100gの含有量
食品名 | ししとう |
---|---|
エネルギー | 27kcal |
水分 | 91.4g |
タンパク質 | 1.9g |
脂質 | 0.3g |
炭水化物 | 5.7g |
食物繊維(総量) | 3.6g |
ミネラル含有量 | ナトリウム | 1mg |
---|---|---|
カリウム | 340mg | |
カルシウム | 11mg | |
マグネシウム | 21mg | |
リン | 34mg | |
鉄 | 0.5mg | |
亜鉛 | 0.3mg | |
銅 | 0.10mg | |
マンガン | 0.18mg |
ビタミン含有量 | ビタミンA | レチノール当量 | 44μg |
---|---|---|---|
βカロテン当量 | 530μg | ||
ビタミンE | αトコフェロール | 1.3mg | |
ビタミンK | 51μg | ||
ビタミンB1 | 0.07mg | ||
ビタミンB2 | 0.07mg | ||
ナイアシン | 1.4mg | ||
ビタミンB6 | 0.39mg | ||
ビタミンB12 | 0μg | ||
葉酸 | 33μg | ||
パントテン酸 | 0.35mg | ||
ビオチン | 4.2μg | ||
ビタミンC | 57mg |
※食品成分データベース参照
ししとうに含まれる栄養素はこのようになっていました!やはり、同じ仲間であるピーマンと似たような栄養成分ですが、ししとうの方が多く含まれているものもあるようです。
これら、ししとうに含まれてる様々な栄養素を摂取することで、私達の身体にどのような効能をもたらしてくれるのか、次の「効能」の項目で詳しく確認していきましょう。
ししとうの効能
では、ししとうを摂取することで期待できる効能を以下にいくつかピックアップしてみたので、さっそく確認していきましょう!
高血圧の予防
ししとうとピーマンは似たような栄養素成分ですが、ししとうの方が多く含まれている栄養素として「カリウム」が挙げられます。
塩辛いものを食べると喉が渇きますよね。それは、体内の塩分濃度が高くなり、それを薄めるために水分を摂取しようと身体が働いているためです。しかし、そこで水分を取りすぎると、血管を圧迫して高血圧になってしまいます。
カリウムは、体内の余計な塩分を尿と共に体外へ排出してくれるという効果があります。体内の塩分濃度が高くなりすぎないことで、結果的に高血圧の予防に繋がるわけです。
日本人の食事は味噌や醤油などを使った塩分が高めの食事が多いので、カリウムが豊富なししとうを上手に組み合わせて使うと、良いかもしれませんね!
脳梗塞・心筋梗塞の予防
ししとうには「ピラジン」という栄養素が含まれており、少し青臭く感じるのは、このピラジンの香りです。
ピラジンは血液をサラサラにする効果があり、血栓や血液凝固を防いでくれる効果があります。そのため、血管が詰まることで起きてしまう、脳梗塞や心筋梗塞の予防が期待できるのです。
また、これら病気予防のために摂取しておきたいピラジンは種の部分に多く含まれているのですが、実はピーマンにもこのピラジンが含まれています。ただ、種を取ってから調理するピーマンに対し、種まで丸ごと食べてしまうししとうは、より多くのピラジンを摂取できると言われているので、ししとうの方が効率的に病気の予防ができると言えます。
ダイエット効果
トウガラシ科に属しているししとうは、甘味種ながら、とうがらし同様「カプサイシン」を含んでいる野菜です。
カプサイシンは、とうがらしの辛味成分として有名ですよね。ししとうにもごく稀にものすごく辛いものがあると思いますが、それは他のししとうよりもカプサイシンが多く含まれているからなんです!
カプサイシンには、アドレナリンの分泌を増やして発汗を促す効果があるため、ダイエットに用いられることが多い成分です。さらに、ウォーキングやマラソン、水泳などの有酸素運動を組み合わせることで、効果を最大限に高めることができるようなので、ダイエットをする際はししとうを摂取しながら取り組んでみてはいかがでしょうか?
オススメの調理方法は?
ここまで、ししとうの栄養や効能についてまとめてきましたが、最後はオススメの調理方法についてまとめておきます。
ししとうは、煮ても焼いても揚げても美味しくいただける野菜です。味噌で炒め煮にすればご飯にピッタリのおかずになりますし、串に刺してサッと焼けばシンプルながら、ししとう本来の味を楽しむことができます。また、天ぷらにすれば、彩りもよく、βカロテンの吸収率を上げることが出来るので、天ぷらもオススメです!
また、ししとうを調理する際は、爪楊枝などで数か所穴をあけておくと、加熱中にししとうの中の空気が膨張して破裂してしまうのを防ぐことができます。それに加え、短時間で加熱することで、ししとうの綺麗な緑や栄養素を失わずに調理できるので、ぜひ試してみてください!
ちなみに、これまでの記事中で「ししとうの中にものすごく辛い物が混ざっている」という話が何度か出てきましたよね。これは、ししとうが成長する際に「水が足りない」「温度が低い」など、ストレスを感じることで辛味成分が出るそうで、それに気づかずに他のししとうと一緒に収穫されるため起こる現象なのだそう。
近年では、品種改良も進み辛い物はあまり出回らないようになっているそうですが、辛い物が苦手な方は初めに少しだけかじるなど、注意しながら食べると良いでしょう!
また、種が少ないものや、先のとがったもの、中南米のメキシコなどから輸入されたものは辛みが強い傾向にあると言われているので、覚えておくと良いかもしれませんね!
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