生活習慣病の予防から美肌効果まで!豆苗に含まれる栄養素や効能とは?
2017/11/29
豆苗について
サラダや炒め物、お鍋の具材など、様々な料理に活用されている「豆苗」。シャキシャキとした歯触りが特徴的な野菜です。
豆苗と言えば、年間を通して100円前後で売られていることもあり、家計に優しい野菜としても知られていますよね。
また、根が付いたままで売られている豆苗は水につけて10日間ほど置いておくだけで、再び収穫できるほど成長するので、一度買うと二度美味しくいただける野菜なんです!
そんな豆苗が最近、栄養価が高い野菜としてさらに注目され始めているんです!そこで今回は、豆苗の栄養素や効能についてまとめていきます。
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豆苗の発祥や概要
豆苗はえんどう豆を発芽させた、若い葉と茎のことを言います。スーパーなどで根付きの豆苗を購入する際、根の付近に小さな豆が見えるかと思いますが、これがえんどう豆になります。
えんどう豆と言えばグリーンピースを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?ただ、この二つには大きな違いがあり、グリーンピースは「完熟直前、かつ乾燥する前に収穫したもの」を言い、豆苗に使われるえんどう豆は「完熟し、かつ乾燥したもの」という違いがあります。
そんなえんどうの原産地は、エチオピアから中央アジア、そして中東地域と言われており、紀元前より前から小麦などと一緒に栽培されていたという古い歴史があります。ちなみに、黄金のマスクで有名なツタンカーメンのお墓からも、副葬品と共にえんどう豆が発見されたそうです。
豆苗は中国で最初に食べられたと言われており、当時は畑に植えて新芽を手摘みするという栽培方法だった事から、収穫時期も短く、量も少なかったため、高貴な方々や特別な日にしか食べることのできない貴重な食材だったそうです。1970年代頃に日本へも伝わってきましたが、その際も高級中華料理店でしか取り扱われない貴重な食材だったそうです。
1990年代以降になると、日本では工場での水耕栽培が盛んにおこなわれるようになり、天候に関わらず通年出荷できるようになりました。そのため、現在のように豆苗が一般家庭にも広く普及するようになり、2008年のリーマンショック以降には手ごろな価格で購入できるほど供給されるようになりました。
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豆苗の栄養素
栄養豊富なえんどう豆が基となっているだけに、豆苗にも豊富な栄養素が含まれていることが予想されます。
そこで早速、豆苗に含まれている栄養素を以下にまとめてみたので、確認してきましょう!
※可食部100gの含有量
食品名 | 豆苗 |
---|---|
エネルギー | 31kcal |
水分 | 89.7g |
タンパク質 | 4.8g |
脂質 | 0.5g |
炭水化物 | 4.3g |
食物繊維(総量) | 3.1g |
ミネラル含有量 | ナトリウム | 3mg |
---|---|---|
カリウム | 210mg | |
カルシウム | 18mg | |
マグネシウム | 18mg | |
リン | 57mg | |
鉄 | 1.0mg | |
亜鉛 | 0.6mg | |
銅 | 0.11mg | |
マンガン | 0.58mg |
ビタミン含有量 | ビタミンA | レチノール当量 | 390μg |
---|---|---|---|
βカロテン当量 | 4700μg | ||
ビタミンE | αトコフェロール | 2.8mg | |
ビタミンK | 320μg | ||
ビタミンB1 | 0.24mg | ||
ビタミンB2 | 0.30mg | ||
ナイアシン | 1.0mg | ||
ビタミンB6 | 0.21mg | ||
ビタミンB12 | 0μg | ||
葉酸 | 150μg | ||
パントテン酸 | 0.70mg | ||
ビオチン | 0μg | ||
ビタミンC | 74mg |
※食品成分データベース参照
豆苗には、やはり多くの栄養素が含まれていましたね!特に目を惹くのはβカロテンの量で、100gあたり4700μgも含まれていました。
これは、βカロテンが多いと言われている「かぼちゃ」で4000μgですから、いかに豆苗が高い含有量を誇っているかが分かると思います。この量は、すべての野菜の中でもトップラスの含有量となっています。
豆苗の効能
では、豆苗に含まれる様々な栄養素を摂取することで、私達の身体にどのような効能を与えてくれるのでしょうか?
以下にいくつかピックアップしていますので、確認していきましょう!
強い抗酸化作用
豆苗には、強い抗酸化作用を持つ「βカロテン」や「ビタミンC」、「ビタミンE」がたっぷりと含まれています。
活性酸素は体内に必要不可欠なものですが、必要以上に増えてしまうと身体の内側を酸化させ、細胞や血管の老化を進めてしまいます。それが原因となり、ガンや動脈硬化などの生活習慣病になりやすくなってしまうのです。
また、病気だけでなくシワやシミなどにも活性酸素が深く関わっているため、若々しい肌を保つためにも抗酸化力が重要になってきます。
活性酸素は、体内で自然と発生するものに加え、強い紫外線を浴び続けたり、タバコを吸うことでさらに量が増えてしまいます。そのため、日頃から抗酸化作用を持つ栄養素を摂取することで、体内の活性酸素の量を減らしていくことが大切になってきます。
豆苗には強い抗酸化作用をもたらす栄養素が複数入っているので、多種にわたる野菜を食べることが難しい場合でも、しっかりと抗酸化力をつけることができます。
美肌効果
豆苗に多く含まれてる「ビタミンC」には、大きな美肌効果が期待されています。
ビタミンCはメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、加齢や日焼けによって出来るシミを薄くしたり、消したりする効果もあるんです。
また、コラーゲンの生成を助ける働きもあるので、ふっくらみずみずしいお肌作りや、シワの改善にも効果が期待できます。思春期によくできてしまうニキビにも効果があり、炎症を抑えてくれるほか、ニキビの跡が残りづらくなる効果もあります。
これだけ効果があるビタミンCなら、一度にたくさん摂っておきたいと思うところですが、ビタミンCは体内に貯めておくことができず、過度に摂取した分は体外に排出されてしまいます。そのため、日々の食生活に取り入れていくことが大切になってきます。
妊婦さんにおすすめ
「葉酸」は妊娠した女性や妊娠を望む方が積極的に摂取したほうが良いと言われる栄養素で、この葉酸が豆苗には多く含まれています。
葉酸とは、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンの一種で、赤血球を作り出して赤ちゃんの発育を助ける役割があります。赤ちゃんの臓器や脳、神経などが正常に作られるために必要な栄養素なので、しっかり摂取したい栄養のひとつです。
妊婦さんにとって葉酸が一番必要とされている期間は、赤ちゃんの中枢神経が作られ始める妊娠3か月までの期間で、通常時の2倍は必要だと言われています。
妊娠3カ月といえば、妊娠に気が付く事が多い時期でもあるので、気が付いた時は積極的に葉酸を摂取するようにしましょう。また、産後の授乳期にも母乳を作り出す手助けをしたり、貧血や体調不良を防ぐ効果があるので、意識して摂取すると良いでしょう!
オススメの調理方法は?
ここまで豆苗の栄養素や効能について確認してきたので、最後にオススメの調理方法についてまとめておきます。
豆苗は、アクが少ないため生食が可能です。水溶性ビタミンであるビタミンCや葉酸を多く摂取したい場合は、食べやすい大きさにカットしてサラダにして食べると良いでしょう。冷しゃぶの具材にしたり、タコスなどに挟むのもオススメです!
βカロテンやビタミンEを多く摂取したい場合は、油と合わせる調理方法がオススメです。サッと火を通す程度に炒めれば、シャキシャキ食感も失われず、美味しくいただくことが出来ます。
かつて豆苗が中華料理の高級食材であった頃も、ニンニクと一緒に炒める調理方法で食べられていたそうです。今では一般家庭でも簡単に扱うことが出来る食材なので、ぜひ試してみてください!
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